睡眠導入剤による睡眠

 数年前から不眠で、診療内科に通っている。

 昼寝すると夜中に眠れない、程度に思っていたが、思うようにならず、一晩中テレビゲームとかビデオをながめて夜を明かしたこともある。

 そんな状態では、昼間、仕事にならないから、昼寝しないで、23時頃に睡眠導入剤を飲むことにした。

 その結果、徹夜することはなくなった。

 だが、この睡眠には違和感がある。

 睡眠導入剤を服用すると、約1時間後に眠くなる。

 このときの状態はなんとも言い表すことのできないひとときだ。

 眠りたくない、眠ろうなんて全くおもってない自分と、強烈な睡魔で眠らせようとする睡眠導入剤の効果とが、がっぷり四つに組んだ状態となる。やがては睡眠に陥るのだが、このときに布団に入り込むことが一つの分岐点だ。

 構わずにソファに寝転がってYoutubeを見てたりすると、そのまま眠りに落ちてしまう。

 そして、次の瞬間、朝が来て目覚ましで起こされる。

 このときの状態も名状しがたい。

 さっき眠りに落ちた記憶があるのに、もう目覚めのときが来てしまった・・・ そんな感じだ。薬を服用しないときは、布団のなかで悶々として、寝返りを打ち、ため息をつき、やがてはあくびをして(しないときもあるが)、ウトウトとしているうちに、朝を迎えていたのだが、このウトウトしたり、あれはどうなっていたっけなどとどうでもいいことをクヨクヨ思っていた時間(状態)がストンと脱落しているのだ。

 多分、薬が効いて睡眠していて、薬の力で脳が完全に活動を止められているのではないかと思っている。

 家族に聞いてみると、いびきをかくようになった、それも強烈に、とのことだ。

 なんだが自分の脳に傷害を起こされているような感じだが、眠れないよりは断然こちらのほうがいいので、継続して服用している。

 でもたまに、眠れずにもんもんとして寝返りを打っていた時をなつかしく感じるときがある。

 

職探しやってる。

 もうこの年令になると、仕事を選べない。

 最後まで職場にとどまって定年を迎えた方などは、ひきつづきその技量というかノウハウを期待されて嘱託で残ることが多いと思う。

 そうでなくて、早期退職に応募して退職した方、勧奨されなかったけど自己都合で辞めちまった方、などは再就職しようとなると、精神的にも、身体的にもけっこうキツい状態になる。

 辞めたときは、それなりに野心とかアテがあった。でもそのアテが外れた、などというケースは結構あると思う。(自分がそうだ。)

 自分の場合個人事業主として士業事務所を開業したものの、営業が下手くそなせいか全くお客さんが続かない。しょうがないから、しばらく前から職探しを始めた。

 60歳(還暦)を過ぎてハローワークに行くと、仕事がないわけではない。

 自宅が神奈川県なので、横浜、川崎で検索すると職はある。

 その職を受け入れられるかとなると、結構ためらう。あれこれ選り好みを言ってる場合ではないので、早々に入れるところに入れてもらうべきだと頭では理解している。

 だからこう考えることにした。

 「とりあえず安定収入を確保することが最重要課題だ。文句や不平をいうのはその後だ。」

 「体裁を気にしている場合じゃない。3年はやる。体力的に持たないときだけ退職を考えよう。」